世界18か国から300人 円形テーブル囲み対話 「価値多層」「AIと人間」などテーマに 京都会議1日目

 9月23日に開幕した第1回京都会議では、パネルディスカッションやラウンドテーブルなどで闊達に意見が交わされました。当研究所が掲げる「価値多層社会」を体現するかのように世界18か国から約300人が参加し、専門的知見や深い経験に基づく持論や考えをぶつけあって、夕食会が終わるまで会場の国立京都国際会館は熱気に包まれました。

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 京都会議の特徴の一つは、哲学者をはじめとする有識者と産業界のトップらが一堂に会し、新たな対話の場を設けたことにあります。23日はランチセッションを含めて6つのパネルディスカッションが行われ、分野・領域を越えた異色の議論が展開されました。また、午後には来場者が7つの円形テーブルに分かれて自由に意見交換する「ラウンドテーブル」という試みにも挑戦。各テーブルの意見を集約して代表者が発表する「ラップアップパネル」も行われました。

 パネルディスカッションやラウンドテーブルの討論テーマは「AIが問い直す『人間』」「文化の多様性と価値の普遍性」など、人類が直面する社会課題を哲学的思考でとらえ直す内容とし、AIに象徴される科学技術の急速な進化の中で社会はどこに向かうべきか、人間の尊厳や価値観まで深く踏み込んだ議論を喚起しました。

 「価値から考えた産業界の役割と未来」と題したパネルディスカッションでは、日本たばこ産業の岩井睦雄会長、NTTチーフエグゼクティブフェロー室の大森久美子担当部長、読売新聞グループ本社の山口寿一社長の3人が産業界や報道機関の立場から価値について語り、東京大学の中島隆博教授や京都哲学研究所の野村将揮エグゼクティブ・アドバイザーと意見を交わしました。

 会議2日目となる24日も3つのパネルディスカッションが予定されています。

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