AI時代の価値観とはーー「哲学×産業界」多彩な議論スタート 第1回京都会議開幕 24日まで2日間

 第1回京都会議―「価値多層社会」の実現に向けて―(主催:京都哲学研究所、共催:京都大学、後援:日本経済団体連合会、経済同友会、日本商工会議所、京都府、京都市)が9月23日午前、京都市左京区の国立京都国際会館で開幕しました。哲学者をはじめとする有識者と産業界のトップらが一堂に会し、AIに象徴される科学技術の急速な進化の中で社会はどこに向かうべきか、人間の尊厳や価値観まで深く踏み込んだ議論を展開していきます。24日まで2日間にわたる期間中、国内外から約600人の来場を見込んでいます。

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 初日は、当研究所の共同代表理事を務めるNTTの澤田純会長が開会あいさつを行った後、開催地の京都を代表する形で文化庁の都倉俊一長官、京都府の西脇隆俊知事、京都市の松井孝治市長、京都大学の湊長博総長が歓迎スピーチを述べました。

 議論をリードする基調講演は、当研究所のもう1人の共同代表理事である京都大学の出口康夫教授と、当研究所のシニア・グローバル・アドバイザーでもある独ボン大学のマルクス・ガブリエル教授がそれぞれ行いました。出口教授は「京都哲学研究所の一つのミッションは、多様で多層な価値を提案し、それを実装した価値多層社会を実現することにあります」と語り、問題の根本原因へと思考を深める「潜行」と、新たな価値から未来を構想する「浮上」の往還運動を繰り返していくことが進むべき道筋の一つではないかと提起しました。

 講演後は「価値多層からの出立」「AIが問い直す『人間』」といった命題をテーマに、東京大学の藤井輝夫総長、東京芸術大学の日比野克彦学長、米バージニア大学のR・エドワード・フリーマン特別教授ら世界的な有識者と、日立製作所の東原敏昭会長、米ニューズ・コープのロバート・トムソン最高経営責任者、エリクソンのボリエ・エクホルムCEO、韓国経済人協会のリュ・ジン会長、読売新聞グループ本社の山口寿一社長ら産業界トップらによるパネルディスカッションが予定されています。

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