「哲学者AI」京都会議で公開 カントや釈迦と疑似対話 東洋大学が開発

 第1回京都会議が開催されている国立京都国際会館で、東洋大学情報連携学学術実業連携機構長の坂村健・東京大学名誉教授らが開発した対話型AI「哲学者AI模擬対話」が披露され、注目を集めています。

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 ソクラテス、釈迦、孔子、カントの4人の著作や関連書物などをデータとしてAIに学習させ、大型ディスプレイに映し出された4人にマイクを通じて音声で質問すると、4人が質問に応じて哲学的な対話を始めるという趣向です。釈迦AIは執着を手放す仏教思想を示し、カントAIは内的な道徳法則の観点を提示するなど、それぞれの思想的特徴を反映した発言が展開され、時空を超えて4人と対話しているかのような感覚を楽しむことができます。

 最後に東洋大学創立者・井上円了が4人の回答を総括し、1問につき5分ほどで対話が終わります。単なる文献の引用にとどまらない応答は、AIが人間の知的探求に寄り添う可能性を示しているとも言えそうです。

 京都会議の会場ではこのほか、京都哲学研究所に参画する企業の展示コーナーも設けています。デジタルツイン(NTT)、産学連携(博報堂)、ウェルビーイング(日立製作所)、情報流通の健全性(読売新聞などでつくるOriginator Profile 技術研究組合)といった現代社会が直面する課題が展示テーマです。

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