「倫理資本主義」めぐりマルクス・ガブリエル教授と意見交換 東京で特別賛助会員セミナー

京都哲学研究所は10月31日に特別賛助会員向けセミナーを開き、当研究所のシニア・グローバル・アドバイザーを務める独ボン大学のマルクス・ガブリエル教授と会員企業のトップらが「倫理資本主義」や「価値多層社会」などについて意見を交わしました。

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京都哲学研究所は10月31日、特別賛助会員向けのセミナーを東京・千代田区の帝国ホテルで開催しました。当研究所のシニア・グローバル・アドバイザーを務める独ボン大学のマルクス・ガブリエル教授と会員企業のトップらが、ガブリエル教授の持論である「倫理資本主義」や、当研究所が掲げる「価値多層社会」の在り方などについて意見を交わしました。

今回のセミナーは特別賛助会員限定のプレミア・イベントで、最初にガブリエル教授が講演を行いました。ガブリエル教授は飢餓や貧困、ジェンダー不平等、人種差別などを例に挙げ、これらの諸課題について企業が「道徳的な善」の観点から解決策を示すことができれば、ビジネス化によって利益を出すことも可能だと述べました。そのうえで、当研究所の果たすべき役割は「哲学の世界をビジネスの世界と融合」させ、「分野横断的に新しい協力の形を作り出す」ことにあると強調しました。

講演後は、当研究所の共同代表理事を務める出口康夫京都大学教授、澤田純NTT会長を含むセミナー出席者12人がガブリエル氏と意見交換を行いました。ガブリエル教授の持論に対し、資本主義と倫理のバランスをどう取るべきか踏み込んで尋ねる質問が出たほか、「価値多層社会」を目指すうえで乗り越えなければならない課題、新時代のメディアの在り方、爆発的に普及するAIへの対応などもテーマとなり、約1時間半にわたって熱を帯びた議論が展開されました。

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当研究所は、活動を支援してくださる賛助会員向けに、会員区分に応じて様々な特典をご用意しています。詳しくは当ホームページの「Supporting Members 賛助会員について」をご覧ください。

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