南インドで「AI倫理」議論 専門家らとワークショップ 社会の在り方探る 

 京都哲学研究所は今回のインド訪問中、ニューデリーとベンガルールの2か所でAI倫理に関するワークショップも開催しました。出口康夫京都大学教授とマルクス・ガブリエル独ボン大学教授が登壇し、現地の研究者や学生ら計約250人と意見を交わしました。

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■ニューデリー

「AIの哲学と倫理(Philosophy and Ethics of Artificial Intelligence)」と題した1回目のワークショップは、ニューデリーにある社会科学研究の名門ジャワハルラール・ネルー大学で2月28日に開催しました。

 同大の哲学センター、ボン大科学思想センターとの共催で、出口教授とガブリエル教授がそれぞれ講演したほか、当研究所の辻麻衣子研究員もディスカッサントとして登壇。AIのような先端技術がどのように設計、使用されるべきか、デジタル技術が人間性や社会といった概念にどのような影響を与えるかについて議論を交わしました。

 また、ジャワハルラール・ネルー大学のほか、デリー大学、インド工科大学デリー校、ジャミア・ミリア・イスラミア大学からプラシャント・クマール助教(デリー大学)ら13人のスピーカーやディスカッサントも登壇し、ジャワハルラール・ネルー大学の学生約200名が聴講するという大規模な会合となりました。

■ベンガルール

 2回目のワークショップは3月1日、南インドの都市ベンガルールで開催しました。当研究所とボン大科学思想センターの共催で、テーマは「AI、倫理、異文化間イノベーション(AI, Ethics, and Transcultural Innovation)」でした。

 オーガナイザーを務めたインド財務省のダナンジェイ・シン氏がインドにおけるAIの社会的・経済的基盤について解説した後、インド国立先端研究所のサンギータ・メノン教授やインド国立法科大学、インド理科大学院、インド工科大学ムンバイ校といった南部の著名な研究機関に所属する約30名の専門家が、教育、法整備、公衆衛生などの分野でAIをどのように使っていくべきか、その技術的問題や社会が乗り越えるべき課題について意見を交換しました。

 出口教授は「WEターン」を軸とする新しい社会のあり方について講演を行い、聴衆の関心を集めました。

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