スイス政府系財団GESDAと覚書締結 「哲学、科学の予見、外交」で連携強化

京都哲学研究所はスイスに拠点を置くジュネーブ・サイエンス・ディプロマシー・アンティシペーター財団(Geneva Science and Diplomacy Anticipator= GESDA)との間で、哲学、科学の予見、外交の分野で戦略的協力関係を構築する覚書(MoU)を締結しました。当研究所共同代表理事の出口康夫京都大学教授と澤田純NTT会長、GESDA の取締役会メンバーでもあるステファン・ドクテール事務総長、マリリン・アンダーセン事務局長の4人が9月24日に署名し、発効しました。
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GESDAはスイス連邦とジュネーブ当局により2019年に設立された独立財団です。国際的な官民連携と各種プロジェクトを推進することで現在と将来の技術的課題に対する解決策を提示し、科学技術の進展の受益者を広げる「予見と行動」の手段を構築することを目的としています。
京都哲学研究所が掲げる「価値多層社会」の構想と、GESDAの「惑星化した人類(Planetarised Humanity)」のフレームワークに基づき、両者は「科学的発見、哲学的分析と、それが人間のあり方および社会的共存に与える影響との間に、より力強い結び付きを実現する」ことを共同して追求するため、連携・協力していくことで合意しました。協力分野には、ネットワークと専門知の共有、戦略的整合性の特定、そして定期的な協議と共同計画を通じて新たな重点領域の可能性を検討することが含まれます。
本覚書の締結式は9月24日、第1回京都会議の会場となった京都市の国立京都国際会館で行われました。京都哲学研究所から出口教授と澤田会長の両共同代表理事に加えシニア・グローバル・アドバイザーを務めるマルクス・ガブリエル独ボン大学教授が出席し、GESDAからはドクテール事務総長、マーティン・ミュラー科学予見エグゼクティブ・ディレクター、マヌエル・グスタホ・アイザック科学予見哲学リードの3氏が出席しました。
3氏はGESDAのアントン・ルパート取締役とともに9月23、24日に開かれた第1回京都会議にも参加し、パネルディスカッションに登壇したほか、ラウンドテーブルの自由討議に臨みました。価値に焦点を当てた哲学的アプローチと科学技術に対する予見的アプローチの重要性について、多角的な視点から議論を深めました。
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