国際哲学界連盟幹部と意見交換 京都宣言の草案などめぐり キム会長ら京都来訪

 国際哲学会連盟のキム・ヘイソク会長(韓国・梨花女子大学名誉教授)ら幹部と、京都哲学研究所共同代表理事の出口康夫京都大学教授らとの意見交換会が3月25日、京都市の京都大学で開かれました。2027年夏開催予定の第2回京都会議で発表を目指す「京都宣言」の草案などを巡って、大所高所から意見が交わされました。

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 国際哲学界連盟は2028年に世界哲学会議・東京大会を開催する予定です。世界哲学会議は各国から哲学者や研究者が集まる国際会議で、5年に1回開かれます。1900年の初開催以来、次回で26回目を数える歴史ある会議で、日本での開催は初めてとなります。

 昨年9月の第1回京都会議でキム会長がパネルディスカッションに登壇した縁もあり、世界哲学会議・東京大会のプログラムを検討する委員会が日本で開催されるのに合わせ、当研究所メンバーとの意見交換を行うことになりました。

 この日の意見交換会にはキム会長のほか、国際哲学会連盟のヤコブ・ダール・レントドルフ事務総長、プログラム委員会のヴォルフガング・カルテンバッハー座長、納富信留東京大学教授ら約10人が出席。当研究所からは出口教授、シニア・リサーチマネージャーの五十嵐涼介博士、リサーチマネージャーの高木俊一博士の3人が参加しました。

 出口教授は意見交換会の冒頭、「私たちのミッションの一つは哲学、人文学、ビジネス、中央・地方行政、その他の社会セクターなど様々な分野を結びつけている地域ネットワークを、さらにグローバルな規模でつなげていくことです」と強調。連盟幹部らに対し「哲学と社会との関係について、未来に向けた多くの可能性を共に探っていきましょう」と連携を呼びかけました。続いて五十嵐シニア・リサーチマネージャーが、当研究所が提唱する思考法「ABCモデル」や京都宣言の草案について説明し、意見を求めました。

 キム会長は「昨年の京都会議には非常に感銘を受けました。最も印象的だったのは、ビジネス界の方々が『哲学すること』に関心を持っていたことです。哲学が世界や実在の人々の生活に関与していくために、こうした試みを継続すべきだと思います」と述べました。また、連盟幹部からは、京都宣言の草案に対し「価値に基づく社会の変革を目指す中で、価値とは何かという問いを正面に据えたのは適切」などと高く評価する声が出ました。

 一方、「相対主義的な価値概念をいかに超えるかが、この宣言の大きな課題」とする見方や、「価値は常に権力構造の中に組み込まれているという事実を忘れてはなりません」と俯瞰的な姿勢を求める意見もありました。

 その後、日本画家・橋本関雪の旧邸宅として知られる京都市内の白沙村荘で夕食会を開き、当研究所のもう1人の共同代表理事である澤田純NTT会長も出席して引き続き意見を交わしました。

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