「価値の多元性」めぐり国際ワークショップ エストニアの大学と共催で3日間 アフリカ・アジアの哲学的伝統も交え議論
京都哲学研究所は3月10日から12日にかけて、エストニアの首都タリンにあるタリン大学で国際ワークショップ「Value Pluralism and Moral Realism(価値多元主義と道徳的実在論)」を開催し、当研究所共同代表理事の出口康夫京都大学教授や当研究所シニア・グローバル・アドバイザーのマルクス・ガブリエル独ボン大学教授らが参加しました。タリン大学のレイン・ラウド教授との共同企画で、昨年9月の第1回京都会議に参加した同大学のトヌ・ヴィーク学長から全面協力を得ました。
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今回のワークショップは、京都会議で当研究所が発表したホワイトペーパー(草稿)に関心を持ったラウド教授からの提案がきっかけとなりました。「価値の多層性」をめぐる議論をさらに深め、価値多元主義と道徳的実在論の関係を掘り下げる場として企画しました。
3日間のプログラムにはガーナ、ケニア、日本、英国、オランダ、エストニア、米国などから延べ約40人の哲学者が参加しました。西アフリカのアカン共同体倫理、中国古典哲学、西洋道徳的実在論、存在論的人類学、概念工学など多様な哲学的伝統を横断しながら、価値をめぐる根本的な問いにについて思索を深めました。
初日はヴィーク学長が開会の挨拶を行い、続いてアフリカ哲学の視座から「価値」の概念を検討するラウンドテーブル(全員参加型の自由討論)を行いました。2日目には、ガブリエル教授が「道徳的事実――その存在と認識可能性」と題した公開講演を行いました。新実在論の立場から、道徳に関する事実は客観的に存在しうるのか、具体的な状況に根ざしながらも普遍性を持ちうるのかについて論じました。最終日には、出口教授とガブリエル教授が「多層的な価値をいかに理解するか」をテーマに討論し、活発な議論が交わされました。
今回のワークショップを通じて、アフリカやバルト諸国、オランダの研究者との新たな学術的つながりも生まれました。当研究所は、こうした国際的な哲学的対話のネットワークをさらに広げていきます。
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