経団連「夏季フォーラム」総括文書を高市首相に手交 「思想・哲学」含むソフトパワーの重要性を指摘
経団連の「夏季フォーラム2026」が7月23、24日に長野県軽井沢町で開かれ、京都哲学研究所(KIP)の共同代表理事である澤田純NTT会長(経団連副会長)が議長を務めました。採択された総括文書では、「思想・哲学」を含むソフトパワーの重要性を指摘し、官民が連携してソフトパワーの充実や発信の強化を図ることが盛り込まれています。
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8月5日には、筒井義信・経団連会長と澤田会長らが首相官邸を訪れ、総括文書を高市早苗首相に手渡しました。経団連は、「投資牽引型経済」への転換を目指し、「国内民間設備投資額を2040年度に250兆円に拡大する」という目標を掲げています。総括文書では、なかでも研究開発投資について、官民合わせて「対GDP比5%」という世界トップレベルの水準に引き上げ、「2040年に年間投資額50兆円を達成すべきである」と訴えています。
さらに、経済界によるイノベーションの創出に資する成長投資や、政府による科学技術・産業政策を一体的に推進できる体制整備などを求めたうえで、「技術の発展に起因する課題への対応や、技術の受容・社会実装・国際的な共感と信頼の醸成を図る上でソフトパワー(思想・哲学、デザイン、文化、コンテンツ等)が重要であり、わが国の強みでもある」と指摘しています。そして、「こうしたソフトパワーの更なる充実・ナラティブとしての発信を官民連携で積極的に推進する」とも明記しています。
高市首相に総括文書の内容を説明した澤田会長は、AIの活用について言及し、「AIに依存するのではなく、(人間とAIを)相互的に使う。それによって働く意味も再定義したい」と述べました。また、「日本の良いソフトパワーを官民が連携して世界に発信していきたい」との考えも伝えました。これに対し、高市首相は「国内投資を強くすれば、必ず日本経済は強くなると思っている。ソフトパワーは日本にとって非常に強い、世界と勝負できる『売り』になるので、しっかりと取り組みたい」などと応じました。
これに先立ち、経団連は5月、澤田会長が中心となって政府への提言文書「科学技術立国戦略」をとりまとめ、高市首相に提出しています。この中では、科学技術立国の実現に向け、「科学技術」への投資拡大やその成果の受け皿となる「産業・社会」の改革に加え、それらを支える「思想・哲学」のあり方まで含めた総合設計を提唱しています。「思想・哲学」は「科学技術立国の土台として不可欠な基盤である」と明記し、京都哲学研究所による京都会議の取り組みにも言及しています。
※写真は経団連から提供を受けました。
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